もうこの動画だけでいい!いや一応ストーリーちょっとは読んでほしいけど!読まなくてもいいけどねっ?笑 https://youtu.be/wbiWJu-D3Gw
【FLY HIGH第2巻 〜中編〜】
入り口に入ると受付の人が待っていた。腕にはすごい数の刺青。一瞬、強面なお兄さんに見える。だがこっちにはトランポリンがある。ある意味ちょー無意味でちょー無敵だと思っている。
「おい、なんだそれは!!!」
とお決まりの質問をするが、謎の鉄パイプを笑顔で担ぐ日本人4人を見てかなり動揺気味の若い男の子は「ボスに確認とるから待ってくれ!」と言われた。 「おっけー!あいむうぇいてぃんぐー!!」笑顔で待つ。だって私はもうワクワクして仕方ないからだ。ダメだと言われても入ることはわかっていたからもうどちらかというとニヤニヤが止まらない。 数分の電話の後 「おっけーいいよ。」 「わーお!!!Good Job!!!!こっぷんかー!!」 無事に受付を通過した。この村はとても人工的な場所なのでいろんな民族が固まっている。ここはアカ族の村・ここはラフ族の村・・・そんな風に分類されている。 もちろん目指すはマリーのところだが、せっかく持ってきたのだからいろんな人たちのところで跳んでもらいたい。そう思って別の村でもトランポリンを出すことにした。
”アカ族”の村だ。
頭に鈴をつけたり、可愛い刺繍やパッチワークでおしゃれをした衣装を着ている。こんにちはと挨拶をしながら進むが、進めば進むほど、気がついた。子どもがほとんどいない。おばぁちゃんばかりと元気なおじいさんがたった一人いるだけの村だった。小さな子どもが一人と赤ちゃんが一人。
子どもがほとんどいない村。 おばぁちゃんばっかりの村。
少しさみしい感じがした。
よく見ると想像以上にお年をめしている!!!何歳かはわからないが、見た目でいうと80歳90歳くらいに見える人までいる。
よろよろと歩きながら可愛い帽子をジャラジャラならすおばぁちゃんたち。果たして跳んでくれるのかどうかはわからないけど、まずは出してみようか!という流れになり村の後ろに立て始めた。
ジャンプを見せると、嬉しそうに微笑むおばぁちゃんたち。でも、 「おばぁちゃんだから無理だよ」 とでも言うようにできないと首を横に振った。その中から勇気のあるおばぁちゃんが一人。颯爽と一歩前に出てきた。
おばぁちゃんは乗るときはゆーーーっくり。 周りのサポートと一緒にトランポリンに登る。
やんわり跳び始めたと思ったら突然 ウーーラーーーーーーラぁあ!!! アカ族の何かの言葉だと思う。 それはそれは嬉しそうに叫ぶ。
高さをどんどん上げて まるで子どものように遊んだ。
どんどん挑戦したいというおばぁちゃんが出てきた。 「こっちの足が痛いから優しく飛ぶ」とか言ってたのが嘘のように 次々とご高齢のおばぁちゃんたちが自分から跳びたいと集まってきた
おばぁちゃん達は子どものような顔で跳びながら歌ったり 大きな声で歌い始めたり トランポリンの上で踊り始めた。 とにかく、この素直な喜びの表現は一体なんなのだろう!?とこっちが勝手に嬉しくなってしまうような歓喜の表現をしてくれた。
一応観光用の村なので、観光客が来たらお仕事をしなければならない。 それはお土産物の販売や、村のダンスや歌を披露するシーンだ。
中国人のグループ客が来ると慌てて着崩れた衣装を元に戻し、持ち場に戻り歌を歌わなくちゃと戻っていくのだけど、トランポリンで笑った余韻が残ってしまって歌いながら ププププーーーッ わはははっ アーーーーッハッハッハッハ!!! と笑いが止められないおばぁちゃんたち。
歌が終わるとすぐにトランポリンのところに戻って来て、もう一回やりたいと集まってきた。
ひとりのおばぁちゃんがトランポリンを降りるときに 大声で笑いに笑った後に ほろほろと涙した。
はぁーーー と心がいっぱいいっぱいになってしまった時のような 胸にいっぱい呼吸を感じた時の 満ち溢れた吐息みたいに。
言葉はなかった。
それを見守っていた私たちは なぜだか次の瞬間に全く理由がわからないのだけど、全員が一緒に涙してしまったのだ。
それが何の涙なのか、なぜここにいる私たちみんなが泣いてしまったのかは 今考えてもよくわからない。
あまりにも美しい笑顔は 時として人の感情を大きく揺さぶる
一人で笑顔見て泣けちゃうことはたまにあるんだけど、 全員の涙が出る 本当に不思議な体験だった
後からアカ族のことをよく調べてみると、アカスイングという大きなブランコのようなものを山の高いところに立てて大きくブランコするお祭りや、歌やダンスが大好きな明るい民族らしいのだ。
もしかしたら彼女たちも若い頃に 山の奥でアカスイングをしていた時のことを 大きな声で笑う喜びを、 もしかしたら遠い何かの思い出を
思い出してくれたのかもしれない。
なんだかわけがわからない。みんな嬉し泣きしてる。
「はじめからこんなんで俺たち、マリーのところ行っちゃって大丈夫かな」と鼻水をすすりながらベジさんが言う。
可愛いアカ族のおばぁちゃんたち、新しい観光客のために歌を歌っている姿を横目に
私たちは移動した。 そして、マリーの村を目指した。
続く
→ http://flyhigh-mai.com/2017/01/23/fly-high第2巻〜首長族のマリーにトランポリンを〜/
*石原舞インタビュー記事
アセナビ
http://asenavi.com/archives/6169
開発メディアganas
http://www.ganas.or.jp/20160302flyhigh/
iammai