お金のことも書いてみた。

私はいまカンボジアに住んでいる。 今回の帰国でいただいた質問が、思い返してみたら面白かったので。 今日は私という人間を少し整理整頓してみようと思い立って文字にしている。初めてお金のことにも触れてみる。       

いろんな理由はあるけれど、きっと一番は、本当に自分い合う、人間としてのリズムを掴みたかったんだと思う。それは日本では難しいと当時思っていたから。

       今、一番作りたいものは銃や武器を溶かして作ったトランポリン。これはもうすぐ作れるかもと思ってる。そのために、銃の弾丸を溶かしてアクセサリーを作る事業をカンボジア人と一緒にやっていて、これはすごく素敵でどんどんstoryが膨らんできてワクワクしてきた。

 

本当に行ってみたい場所はアフリカ。その、トランポリンを持っていくつもりだ。(アフリカ行きは貯金ができない性格なのでもう少し時間がかかりそう)

 

 

        【カンボジアでの生き方】      カンボジアではスポーツインストラクターの私として挨拶することが多い。 毎週かわいい子どもたちと踊ったり走ったり跳ねたりして遊んでいる。  お母さんたちと元気に踊ったりリラックスしたりもする。       初めましての人たちが自然と仲良くなってしまうようなスポーツらしい一面も、リラックスという心が柔らかく開かれていく感覚がとても良くて、改めてスポーツっていいなぁ!と思う。 このカンボジアで私を助けてくれる沢山の日本人の人たちやその他のいろんな国の人たちを、改めて好きになっていく自分に気がつく。

 

私の大好きな人たちが、子供も大人も日本人も外国人も。もっと楽しくなって、嬉しくなっちゃうようなプレゼント(教室)ができるようになりたい。    

   

      生活はそれなりに住みやすいエリアに一人暮らし。 料理は下手くそなのでほぼほぼ外食なのがちょっと改善したいところです。     日本にいた時からカフェが大好きだった私は、仕事で苦しんだ翌日はスタバに篭って深呼吸するのが好きだった。 実はカンボジアのカフェは日本よりもクオリティが高いと思っているのだけど。広々したカフェでWi-Fiはビュンビュンだし、ソファ席も多い。まぁそんなところに毎日いる。今もいる。大好きなラテは2杯目である。駐車場の人のおじさんの笑顔が大好きなのでよく来る。

 

        そしてたまに、田舎のほうとか孤児院に行ってトランポリンしてみんなと遊ぶ。 私は単純な性格なので、可愛い笑顔とか声を聞くと、それこそ全然お金がなくても ぁあーー生きてて良かったなーーー!わーい!!! と本気で思う。

     週に3回か4回は、彼と食事をしたり、走ったり(私は歩く)映画をみたり一緒に本を読んだりする。この時間もまた幸せである。                【お金はどうしてるのってよく聞かれる その①】   そうやっていわゆるレッスンをして、日本円でだいたい1人800円ほどをもらっている。土地価がジワジワ上がっているカンボジアでは場所代のおかげでたまに赤字になることもある笑

 

そういうわけで、どん底にお金がないと思った時、これが続くとテンションが下がるな、と思ったら子どもたちと遊んでいるように踊っているだけなのに突然、日本円で時給1万越えをする。カンボジアだとものすごく大きく感じる。3時間やればそれなりの家に住める価値になってしまう。うわ!嬉しいなぁー!と思う。            お金の計算が得意ではないので基本的に自分がいくらもっているのかはよく知らない。昔はそれこそちゃんと計算していたけどやめた。中学から6年間ほぼ欠かさず数学の補修を受け続けた私は飽きてしまった。当時、赤点とって追試を受けて、その追試でまた赤点をとるほどの補修クラスのベテラン生徒だった。

 

 

【旅について】             3ヶ月に1回は日本に帰って大好きな人たちに会う。帰って来られなくなったら諦めて就職活動だと思ってる。 日本での仕事(遊び)も大好き。毎回素晴らしい人たちに出会うから

     去年は4回、カンボジア国内外合わせて旅をした。 世界にはまだまだ素敵な季節や音や色がたくさんあるから。 今年はもう少し増えると思う。  

   

      【休む時間とか働く時間とか】      この国に来たばかりの私は たくさん頑張ってみたり、たくさん努力してみたこともあった。 お金もちゃんと貯めなくちゃと頑張っていた。

     せっかくカンボジアに来たのだからと、 何かを掴むのに必死だった自分がいた。 誰かといるのも苦しかった。

    だけど途中でそれも飽きて、しかも疲れた。 どっと疲れが出た頃に思った。      人間っていうのはもっと休むべき生き物なんじゃないかと思うようになった。       休んだらもちろんその分のお金は入らないんだけど、それでも疲れている自分は不細工だったし、犬も猫も他の動物もあんまり疲れてないのに、なんでこんなに人間は疲れてしまうのだろうという違和感を感じた。

 

       それからは徹底的に休み始めた。      謎の罪悪感を感じることもあったし、友人のタイムラインがゴリゴリに成長しているのを見て辛くなることがあっても休み続けた。 人間はもっと休むべき生き物なんじゃないかという実験をしてみたかった。            月曜日は1時間だけ働く、それ以外は全部休む 火曜日は2時間、それ以外は全部休む あ、火曜だけは最低30分は準備する 水曜日だけは頑張って4時間 木曜日は働かない 金曜日は1時間か稀に2時間それ以外は全部休む 土曜日は遊ぶように1時間とたまに幼稚園の手伝いそれ以外は遊ぶ 日曜は休みで、大抵1日デートするかどこか新しい村を探しに行った。          週平均9時間労働。昔は1日で9時間を当たり前に超えていた。 むしろ1日に8時間以内しか働かない日が稀だった。     今もこのリズムで基本的には生きている。    ”なにもしないをちゃんとする”。  

   

          【お金について】    そういうわけで、「だから本当にお金はどうしてるの!?」とよく聞かれるので改めて去年のお金の動きを振り返って思い出してみた。   

日本で遊ぶように始めたお仕事がなんだかとてもうまくいってしまって(完全に一緒に仕事をしてくれていた人のおかげ)月7桁の合唱をという謎の事態を体感した。  

ただ遊んでるように生きている私がなぜ・・・!!?と、意味がよくわからなかったが月商100万円を越えてしまったことがあった。          「うぉおおお!まじすか!!」と思ったが、正直なところ、案外普通だった。 もちろんすごく嬉しかったことには変わりないのだけど、

 

実際に目に見える目の前のたった一瞬の笑顔にはやっぱり叶わないなと思った。    

 

そして、お金を貯めるなんてとんでもない! はやく世界のかわいい笑顔たちに変えましょう!♡ と思った私は 

       クラウドファンディングにお金を出してみたり   当時困っていた私の大好きな友人に10万円あげた。   カンボジア人でとてもお世話になっていた大好きな人がいて、家族が病気なのにお金がないと困っていたのでその家族に数百ドル渡した。   誕生日にプレゼントを贈りまくるという企画で約50冊の書籍を自腹で購入し、国内海外含め、送料込みで送った。おかげさまで印税は全部消えた。   カンボジアの孤児院とタイの首長族の村にトランポリンを2台プレゼントした。    

   

他にもいろいろ回した気がするのだけどもう忘れてしまった。

 

 

           月100万越えたら苦労しないでしょと言われそうなんですが   普段からそんな回し方をしているからか、  

  なななななんと今回の帰国で残高は・・・・・・  

    2525円になった。

 

ニコニコかよ!!縁起はいいけど!!!!本当にお金ないな!笑 極端かよ!!! もはや笑えた。  

       そういうわけで貯金ができない。  毎月の奨学金の返済をギリギリしているくらい。       本当に不思議なのですが、残高2525円になって、

    

やっべ!来月から奨学金返済できない!母かおりにまじ怒られる!しかも次回の帰国帰れない!しかもpasmo紛失したやばい3000円入れたばっかりなのにくっそー!!しかもしかも今日はそんなこと気が付かずに久しぶりの日本だからとテンション上がって、サトウの切り餅や、まるごとばななを買いまくってしまった!!!

  慌てふためいてめちゃめちゃがっかりしたら       神様みたいな方々が突然お金をくれたり 書籍を買ってくれたり イベントに来て下さったりして        数日後に残高を改めて確認したらなぜか6桁単位で どかーんと跳ね上がっていた。 これでまた奨学金も返せるし航空券買えそうです。本当に本当にありがとうございます。

 

 

   

 

       【生きたい理由】

 

嬉しかったのは 「あなたに渡せば間違いはないから」とか「あなたに使って欲しいの」とか「いつもブログに励まされていて、ブログは無料で読めるけど。このブログは無料なわけがありません。お支払いして当たり前です」と言ってくださったことです。

    お金というのは想いののった一番わかりやすいありがとうだと思っているので、 そうやって私のような人間に回して頂いたと思うと、とても幸せです。

      他にも、本を買って下さったり、銃をトランポリンにするためのアクセサリーを買ってくれる方がいてくれたり、イベントに参加してくださる方のおかげで生きていけてこれました。      ああ、これは死ねるわけがないなと思える。     

 

   

    【天国とは】     やっと自分らしいペースで生きてる気がする。 これがいまの私の人間らしい時間の流れで生きている。    いっぱい休んだら、心も体も軽くなった。  

   そしたら、もっと自分の人生を使って大きな冒険をしたいしもっと果てしない夢を描きたいと思うようになった。つまり。遊びたくなった。             人間はもっと休むべきだと思ったけど違うかもしれない。 たぶん、人間はもっと遊ぶべきなのだ。    

もっと本気でこの地球を この世界を愛すべきで 愛されるべきで もっと命賭けて遊んでも良くて       たくさんの美しいを感じていいのだ。    

     そういうわけで私は私の生き方をもっと 遊ぶように生きていこうかなと思っている。    

 

          ねぇ神様。 こっちも天国だよ。超面白いよ?地球も。          

 

今、神様とお喋りができるとしたら 死ななくても、天国あるよって。 すっげーエキサイティングな冒険できるよって  

教えてあげようと思う。

 

 

 

 

 

*石原舞インタビュー記事

アセナビ

http://asenavi.com/archives/6169

開発メディアganas

http://www.ganas.or.jp/20160302flyhigh/

 

iammai

FLY HIGH第2巻〜首長族のマリーにトランポリンを〜

アカ族の村を去った。彼らが新しく来た観光客にダンスと歌を披露している間に静かに離れることにした。どきどきしながら首長族の村へ向かう。 見覚えのある村の造り。首長族の人たちがいる。相変わらず彼らは無表情だ。氷のように笑わない。人形のような挨拶をする。2年前と何も変わらないそのままの村。     

 

ある女の子の前を通り過ぎた時、彼女は私に背を向けて、後ろ向きで機織りを続けていて、挨拶しても完全無視されてしまった。明らかにシャットアウトされた感じ。強烈な無視にどうしたらいいかわからなくて、なにもできないまま私たちは小さな小屋のような一応学校となっている場所に向かった。

 

 

     当時のタイ語の先生がいた。 彼女は私のことを覚えていてくれて、キャー!!と歓声をあげながらハグしてくれた。日差しが眩しいから中に入りなさいって教室にいれてくれた。      

 

マリーとモモはいる?って聞いたら、残念だけどモモは当時チェキで私たちと撮った写真を持ってミャンマーに。マリーもここにはもういない。と言われてしまった。  

   「ここにはもういない・・・」       

そっか・・・もう会えないんだ。すごく残念だったけど、悲しかったけど、仕方ないことだから。それでもせっかく持ってきたから子どもたちと遊べたらいいかなと思って           小さな子達と遊び始めた。おばぁちゃんも大笑いして遊んでくれた。 小さな子どもたちがトランポリンに慣れて楽しみ始めた頃に後ろの方の小屋からさっき完全に私たちを無視した女の子が チラッとこっちを振り返るように覗き込んでいた。

          「・・・???彼女、マリーの顔に似てる?」 と思って隣に座ってみて

      FLY HIGHの本を見せて、 「あの・・・えっと。もしかしてマリー?」って聞いたら恥ずかしそうに微笑んで、小さくコクンと頷いた。名前を聞いたら小さな声で「マニー・・・」って答えた!名前違うんかい!!!マリーじゃなかった! いや、でもいた!!!    

    学校の先生が、ここにはいないと言ったから、てっきりいないと思っていて。 っていうかなんで先生いないって言ったのがさっぱり意味がわからなかったのだけど     

 

「マリーいた!!!!!!  いや正確にはマニーだったんだけど、名前違ってた!笑」 いないと思っていたからびっくりして一緒に来てた3人もびっくりして 「え!?うっそ!」「いるんかーい!」 「名前ちがうんかーい!!!」 みんなびっくり。     

     「チャンダイマイ? 私のこと覚えてる??」 ちょっと照れたような、はにかみ顔で頷く彼女。

 

      「うおーーー!!嬉しいーー!!」 つい嬉しくて、強引にハグしてしまった。笑

 

      あなたにこれをプレゼントしたくて、 あなたの笑顔のおかげで本当にたくさんの感動を日本に届けることができて、私も本当に感謝したくて、だからあの時、あなたがいつかお金が貯まったらほしいってあの時言っていたこのトランポリンをプレゼントしに来たんだ。

     タイ語の先生に通訳を頼むが、残念ながら先生の英語も30%くらいの理解だったのでおそらくあんまり伝わってないなっていう感じで。

     なんだか緊張してこわばっている彼女の顔が見ていて私も辛かったんだけど。 「跳ばない?」と聞くと 彼女は首を横に振った。

 

  先生は「あなたのために持ってきたんだから乗りなさいよ!」 というような感じで半ば強引にトランポリンのところに連れて行かれ仕方なく乗った。ちょっとお姉さんになった彼女は控えめに跳ねてほんのちょっと笑った。首の輪が以前よりも重そうだった。

 

     くすくすっと笑った姿が可愛かった。 キラキラ輝く笑顔というよりは、なんだか少し大人になったような、優しい気持ちがみえるような気がした。     

        そしてゆっくりとトランポリンを降りて自分の場所に戻っていった。    

 

      なんだか。全然想像していた感動の再会とも違くて。 というか完全無視の再会だったし。 いや!勝手に妄想膨らませて期待した私がいけないんだけど! トランポリンも一度だけしか乗らなかったしで。

         その後はマニーに何話していいのかわからなくなっちゃって。他の子達と遊んでいた。       

 

 

         マニー、もしかしたらあんまりトランポリン喜んでないかも。

     これじゃただの押し付けになっちゃう。 サンタになりたかったのに。全然サンタじゃない。迷惑な押し売りみたい。  2年も経てば誰だってほしいものなんて変わるのに。 なんで持ってきちゃったんだろう。 なんだよ完全に、満足したいのは私の方じゃないか。

         ここじゃなくてチェンライにある他の孤児院や別の村、昨日お世話になったさくら寮に置いておいたほうがいいのかな・・・。    

       心の底で血迷う私にぱーにゃが「アカ族の村に置く?笑」と言ってくれた。冗談だったのか本気だったのか私にはそれすらもわからなかった。でもアカ族のおばあちゃん達はトランポリンの上で涙を流してしまうほど、何度も弾んでは喜んでくれたのだ。

 

     マニーは一度しか乗らなかった。  

 

     ぼーっとする私。 曇っていく心。     

 

 

   自分がここにトランポリンを持って来た意味がわからなくなってしまった。        

 

         欧米人のツアー客が来た。 ガイドのタイ人はトランポリンを見て大はしゃぎ、なぜかツアーの欧米人をみんな集めてトランポリンの前で記念写真を撮り始めた。

       タイ人のガイドさんが、ものすごく英語流暢なタイ人だったので、いてもたってもいられなくなって、仕事中だと重々承知の上で話しかけた。     

    「すみませんあのお仕事中ほんと申し訳ないんですけど。 私、実は2年前にここに来て。あの子にトランポリンを飛んでもらって、その時見せてくれた笑顔が本当に素敵で 私があの子の笑顔に救われたんです。  

  その後は本になって、たくさんの感動を日本に届けてくれた彼女にお礼がしたくて 当時彼女がいつかほしいと言っていたトランポリンを持ってきたんです。   でも正直あんまり反応がなくて自分が心配になってきて!!ほんと申し訳ないんですけど。もう少し話がしたくて、突然であれですけど通訳してくれませんか!?!?」     

 

     初めはテンション高めのノリノリに見えていたガイドさんだったが少し話をするととても真剣に答えてくれた。

 

 

彼の仕事はツアーガイドで、多い時は週に5日間もこの村に訪れるのだそうだ。

      「君も知っているだろうけど、彼女たちはこの村から出られないんだ。 彼女達が例えば町の中心地に行ってしまったら、この村が貴重じゃなくなってしまうだろう。 ここにいる人たちはとても不幸なんだよ。そしてとても悲しいんだよ。 だから僕はこの村に来る時はいつも、町で買ってきたお菓子とか彼女たちが喜びそうなものを持ってくるようにしているんだよ。」       

  「この村に、トランポリンなんて持ってくる人がいたなんてね。彼らをただの動物園と同じように動物を見に行くような気持ちで来るんではなくて、こうやって同じ人間としての喜びを共有しようとしている人がいたなんて驚きだ。僕は本当に嬉しい。あなたに会えて僕はとても嬉しいよ。」

     彼は丁寧な英語でそう言って   なんでも通訳するよ。ただし僕もカレン語はわからないから、彼女がわかる範囲の簡単なタイ語でね。      「彼女が話したいことがあるんだって」 そんな風な言葉を話しながらマリーの隣に座る彼。     

 

    通訳をお願いして、もう一度ちゃんと、彼女と話せると思った時 彼女の思いが聞けると思ったし。 私の伝えたいことをちゃんと言えると思った時。

 

      いざ目の前の彼女に、何か聞きたかったことがあったはずなのに 私は全部わからなくなってしまった。     

       自分の中から振り絞った たった一言の言葉がこれだった。    

 

 

 

        “・・・・・・・・i・・ LIKE your smile.”      “i like YOUR SMILE”   “I like your smile!”

 

 

 

 

    私はあなたの笑顔が好きだ。    私はあなたの笑顔が好きだ。    私はあなたの笑顔が好きだ。  

 

 

結局あの瞬間に湧き出た言葉はたった一言だった。 何度他の言葉を探そうとしても、これしか出てこなくて、繰り返して同じことを温度を色を強さを変えて。ただ同じ言葉を届け続けた。  

    英語の伝わるタイ人がいたにも関わらず、きっともっと繊細な丁寧な言葉を使うこともできたのに。     

   日本語から、英語・タイ語・カレン語。幾つもの言語を超えて届くその言葉は 言葉ではない言葉で繋がっていたような気がしている。

 

 

      ガイドさんはマニーに”何か言うことない?”と聞く

 

 

 

一呼吸おいた彼女は一瞬私の目を見て

 

 

     “コップンカー・・・“

   と小さなささやくような声で震える音で”ありがとう”と言った。 これが彼女が口に出した唯一の言葉だった。心の底から出た言葉なのかどうかは、正直わからなかった。                私はタイ語の通訳さんに言った。 「話を聞いてくれて、通訳までしてくれてとても助かった。貴重な時間をありがとう。」    

        彼は言った。 「彼女はね、この村でも特別笑わない。 ものすごく自分の心を開くことが難しいんだ。声をかけてもいつも無視されてしまうんだよ。観光客の目を見ることなんてできないんだよ。だけどそんな彼女が    

      あなたの目をみて言ったんだ。             確かに声はかすかなささやき声だったけど、それでもあなたの目を見て言ったんだよ。僕にだって目を見て話をすることなんてないよ。 たった一言だけどこの一言は、彼女にとってはきっと精一杯だったと思うよ。

              僕はとても嬉しいよ。今度チェンライに来た時は、教えてくれよ。その時はビールを町から買ってきて、彼らとパーティーしよう。僕なら受付を夜でもパスで通れるはずだからさ。」

      そう言って彼はウィンクし、ツアーの欧米人を引き連れ帰って行った。      

 

 

         トランポリンをこの村に置く意味が改めてあっただろうか。 小さな子どもたちがトランポリンに夢中になる姿を横目にこの先この村に置いたこのトランポリンはどうなるのだろうと想像した。       もしかしたらすぐ撤去されてしまうかもしれない。どうなってしまうかは正直わからない。

      でももし、このトランポリンを跳んで遊んでいる子どもたちをマニーがふと横目で見た時。 彼女がいつか子どもを産んで、トランポリンに乗って笑う我が子を見た時に

            その心は、笑ってくれるだろうか。 優しい気持ちになってくれるだろうか。 Say チーズとか、123とか。レンズ越しのそれではなくて。     

 

      私は

あなたの

笑顔が好きだ                           この旅が、FLY HIGH第2弾というこの旅が、 みんな笑ってハッピーエンド。みたいに終わらなかったことに何か意味があるような気がしていて。

       なにかもっと深い世界を 神様が示そうとしてくれている気がして。

      なぜかどこかに導かれている気がして。            何も確かではないけれど       たった一つだけ確かなことは。     

 

 

       だから私は やっぱりこの旅を FLY HIGHを          まだ終われない。          

 

 

 

 

 

     ぱーにゃが数日後日本に帰った。

彼女のテーマは「あなたにとって生きるとは」を聞いて回る旅だったんだけど

今思う私にとってのそれは。

「私はあなたの笑顔が好きだ」と伝え続けることかもしれない。 

 

 

 

 

        帰国イベント 2月3日 石原舞と行く冒険的なご馳走@東京 神保町 2月5日 藤井みのりコラボイベント詳細未定♡

https://youtu.be/36Ebiy4x5PE

   

 

*石原舞インタビュー記事

アセナビ

http://asenavi.com/archives/6169

開発メディアganas

http://www.ganas.or.jp/20160302flyhigh/

 

iammai

FLY HIGH第2巻 〜中編〜

もうこの動画だけでいい!いや一応ストーリーちょっとは読んでほしいけど!読まなくてもいいけどねっ?笑   https://youtu.be/wbiWJu-D3Gw  

【FLY HIGH第2巻 〜中編〜】         

入り口に入ると受付の人が待っていた。腕にはすごい数の刺青。一瞬、強面なお兄さんに見える。だがこっちにはトランポリンがある。ある意味ちょー無意味でちょー無敵だと思っている。

     「おい、なんだそれは!!!」      

とお決まりの質問をするが、謎の鉄パイプを笑顔で担ぐ日本人4人を見てかなり動揺気味の若い男の子は「ボスに確認とるから待ってくれ!」と言われた。        「おっけー!あいむうぇいてぃんぐー!!」笑顔で待つ。だって私はもうワクワクして仕方ないからだ。ダメだと言われても入ることはわかっていたからもうどちらかというとニヤニヤが止まらない。 数分の電話の後 「おっけーいいよ。」 「わーお!!!Good Job!!!!こっぷんかー!!」        無事に受付を通過した。この村はとても人工的な場所なのでいろんな民族が固まっている。ここはアカ族の村・ここはラフ族の村・・・そんな風に分類されている。       もちろん目指すはマリーのところだが、せっかく持ってきたのだからいろんな人たちのところで跳んでもらいたい。そう思って別の村でもトランポリンを出すことにした。

         ”アカ族”の村だ。

        頭に鈴をつけたり、可愛い刺繍やパッチワークでおしゃれをした衣装を着ている。こんにちはと挨拶をしながら進むが、進めば進むほど、気がついた。子どもがほとんどいない。おばぁちゃんばかりと元気なおじいさんがたった一人いるだけの村だった。小さな子どもが一人と赤ちゃんが一人。        

        子どもがほとんどいない村。 おばぁちゃんばっかりの村。

 

          少しさみしい感じがした。        

 

             よく見ると想像以上にお年をめしている!!!何歳かはわからないが、見た目でいうと80歳90歳くらいに見える人までいる。

            よろよろと歩きながら可愛い帽子をジャラジャラならすおばぁちゃんたち。果たして跳んでくれるのかどうかはわからないけど、まずは出してみようか!という流れになり村の後ろに立て始めた。    

       ジャンプを見せると、嬉しそうに微笑むおばぁちゃんたち。でも、 「おばぁちゃんだから無理だよ」 とでも言うようにできないと首を横に振った。その中から勇気のあるおばぁちゃんが一人。颯爽と一歩前に出てきた。     

 

         おばぁちゃんは乗るときはゆーーーっくり。 周りのサポートと一緒にトランポリンに登る。

                やんわり跳び始めたと思ったら突然 ウーーラーーーーーーラぁあ!!! アカ族の何かの言葉だと思う。 それはそれは嬉しそうに叫ぶ。        

      高さをどんどん上げて まるで子どものように遊んだ。      

          どんどん挑戦したいというおばぁちゃんが出てきた。 「こっちの足が痛いから優しく飛ぶ」とか言ってたのが嘘のように 次々とご高齢のおばぁちゃんたちが自分から跳びたいと集まってきた

 

            おばぁちゃん達は子どものような顔で跳びながら歌ったり 大きな声で歌い始めたり トランポリンの上で踊り始めた。                 とにかく、この素直な喜びの表現は一体なんなのだろう!?とこっちが勝手に嬉しくなってしまうような歓喜の表現をしてくれた。          

 

       一応観光用の村なので、観光客が来たらお仕事をしなければならない。 それはお土産物の販売や、村のダンスや歌を披露するシーンだ。      

           中国人のグループ客が来ると慌てて着崩れた衣装を元に戻し、持ち場に戻り歌を歌わなくちゃと戻っていくのだけど、トランポリンで笑った余韻が残ってしまって歌いながら ププププーーーッ わはははっ アーーーーッハッハッハッハ!!! と笑いが止められないおばぁちゃんたち。             

 

   

 

       歌が終わるとすぐにトランポリンのところに戻って来て、もう一回やりたいと集まってきた。      

       ひとりのおばぁちゃんがトランポリンを降りるときに 大声で笑いに笑った後に ほろほろと涙した。     

       はぁーーー         と心がいっぱいいっぱいになってしまった時のような 胸にいっぱい呼吸を感じた時の 満ち溢れた吐息みたいに。        

      言葉はなかった。         

 

        それを見守っていた私たちは             なぜだか次の瞬間に全く理由がわからないのだけど、全員が一緒に涙してしまったのだ。     

 

        それが何の涙なのか、なぜここにいる私たちみんなが泣いてしまったのかは     今考えてもよくわからない。          

 

           あまりにも美しい笑顔は 時として人の感情を大きく揺さぶる      

        一人で笑顔見て泣けちゃうことはたまにあるんだけど、 全員の涙が出る        本当に不思議な体験だった       

                    後からアカ族のことをよく調べてみると、アカスイングという大きなブランコのようなものを山の高いところに立てて大きくブランコするお祭りや、歌やダンスが大好きな明るい民族らしいのだ。

         

もしかしたら彼女たちも若い頃に 山の奥でアカスイングをしていた時のことを 大きな声で笑う喜びを、         もしかしたら遠い何かの思い出を

       思い出してくれたのかもしれない。        

 

                  なんだかわけがわからない。みんな嬉し泣きしてる。

  「はじめからこんなんで俺たち、マリーのところ行っちゃって大丈夫かな」と鼻水をすすりながらベジさんが言う。      

 

           可愛いアカ族のおばぁちゃんたち、新しい観光客のために歌を歌っている姿を横目に 

 

 

               私たちは移動した。 そして、マリーの村を目指した。   

https://youtu.be/wbiWJu-D3Gw

  続く  

  → http://flyhigh-mai.com/2017/01/23/fly-high第2巻〜首長族のマリーにトランポリンを〜/      

 

*石原舞インタビュー記事

アセナビ

http://asenavi.com/archives/6169

開発メディアganas

http://www.ganas.or.jp/20160302flyhigh/

 

iammai

FLY HIGH第2巻 〜前編〜

2016年クリスマス前。 首長族のマリーにプレゼントを届けた、あの日のことをFLY HIGH第2巻のつもりで書いてみようと思う。

  第1巻はこちらです  

  → http://flyhigh-mai.com/2014/07/11/首長族とトランポリン/    

それでは明けましておめでとうございます。     FLY HIGH ワールドへようこそ笑   

 

    

facebookには書いたのだけど。なんとチェンライについた私は重大なことに気がついた。

  

   「着いたはいいけど、どこ行けばいいんだ?  そういえば私、村がどこだか・・・知らんー!!!」

    

  

言い訳をすると、タイにはチェンライとチェンマイという2つの場所がある。名前の似ている二つの土地。惑わされないようにチェンライにたどり着くことに必死だったのだ。

  

2016年12月19日 バンコク

   “チェンライ・チェンライッ♪チェンマイじゃなくて、チェンラーイ♪♪”   

ニワトリは3歩歩けば大抵のことは忘れると言うけれど、私もその辺ニワトリに近いところがある。なので場所を間違えないように歌を歌いながらトランポリンを担いでタイの町を歩いていた。 記憶力が弱いというか、目の前のことに興味を持つとさっき覚えたことは忘れるというありがたい性格をしている。ニワトリの気持ちがよくわかります。    そういえば今年は酉年ですね。   

  

     

  

数時間経つとあれ。「チェンマイ?あれチェンライだっけ。。。」とパーニャに確認する私。 「えーーっと・・・チェンライ・・・じゃないっけ???あれ?」残念ながらパーニャもニワトリ気質らしい。あんまり頼りにならない・・・。  

学生のわんわんが、「チェンライっすね。自分、バスのチケット見てきます。」何て言いながら颯爽と安いバスチケットを探しに行ってくれる。maps meというなんだか最新の地図アプリを取り出して、  

「んんーーーこっちっすね。」と進路を決めてくれる。なぜ男の子はいつも地図が読めるんだろう。そういえば前回の旅もよしろー地図は完璧だった。今回は学生柴田くんをわんわんmapと呼ぶことにした。便利な人間アプリのようである。

    その後、バスターミナルでは 「将来の夢はアンパンマンで菜食主義のベジタリアンだからベジパンマンです!?」 というちょっと謎の自己紹介に始まった男性ベジさんが日本から合流。

 

わんわんが探してくれたバスに乗ってチェンライに向かう夜行バスに乗った。バスに乗ってからは爆睡で、冷房が効きすぎる車内で何度か目が覚めながらも朝、チェンライにたどり着いた。     

ひとまず適当な宿に向かう。なかなか落ち着く場所だった。しかしホッと腰を下ろして、座った瞬間気がついた。

 

 

 

      

「そういえば私。マリーのいるとこ、どこだかわからん…。」  

      

  「首長族のマリーの村にトランポリンをプレゼントしたいんです私っ!!!」 って、散散いろんな人に言って、日本でも沢山の人に助けてもらって、 やっとこさチェンライに辿り着いたのに。 こんなに重いトランポリンを、バスで12時間プラス12時間。24時間もかけて運んだのに。       いざ着いたら自分でもびっくりだ。

 

  それでもなんとかなるだろと思っていたが実際ネットで調べると 厄介なことに似たような村がいくつもある。 場所がしっかり示されていない場所もある。      

移動の疲れを癒そうとのんびりする予定だった初日丸1日村探しに変更。バイクを走らせた。 私が運転するバイクの後ろはわんわんがmapを開く バイクが得意なベジさんの後ろにはぱーにゃがにカメラを撮りながら乗ることになった。 あっちじゃないかとかこっちじゃないかとか田園地帯を走り続ける。     

  

     

  

 

散々走った頃 「こっちじゃないんじゃないか。さっきの大きい道まで引き返そうか」相談して思い切ってUターン。 「はぁーーーもうそろそろ疲れたわぁああ、道に売ってるパイナップル食べようよーーー」

 

なんてダラダラ文句を言おうとし始めたその時。

  ブーーーーーーーーーーーーーーーーン!  

     バイクで爆走する首長族とすれ違った。

 

 

        「ちょっっっっっっ今の見た!?首長族バイク乗ってた!!!!!!!!!」

 

急ブレーキ!!!!!!!からの全員一斉猛スピードUターン!!! 田んぼの細道を70キロ程のスピードで爆走する首長族。その100mほど後ろから80キロで追う日本人    

     気がついたら田園風景は終わった。

  

  

  

首長族が一瞬止まり、 振り返ってニヤッと笑った

     神秘的な笑みに、背筋がなにかぞくっとした。     

  

下り坂の山道の中を走り出すバイク。

  

  

  

こんなとこ走るのかと思わせる細いぐねぐねの土っぽい山道を下る。結構急でしかも狭い。 おまけに道は木の根っこでがたがたしてる。 短い草でタイヤが滑る。 ちゃんとハンドル握ってないと自分が振り落とされそうだから握力全部でハンドルを握った。

 

 

ガタガタの山道が終わると、突然平地になった。 目の前に警備員らしき人がいたので急ブレーキ!

 

わんわんの全体重で後ろからど突かれた 「ギャーーーッッ!」2人して叫ぶ 「重い!わんわん!!!降りて!!!」 「まいさんがこんな坂道で突然急ブレーキ踏むからっすよ!!もうっ!あっぶねー!!」  

 

  なんと観光用村のど真ん中に出てしまった。 見渡すと民芸品がたくさん売ってる。 警備員が目をまん丸くして私たちを見てる。

 

そして彼女はもういなかった。

  

  

なんでこんなとこから日本人が出て来たんだ!?!?といった表情の警備員 "やばい!怒られるかも!"    と思った私はもう全身全霊で話しかける。 こういう時は勢いのある方が場を制す。・・・と思う。   

 

「あー!コップンカー!!!えくすきゅーずみー!初めまして!!!ナイストゥミートゥユー!!」 オーバーに挨拶する私。   「道迷っちゃって!!!すみませんなんかいろいろ間違えたっぽいです!!!」        何も聞かれていないのに慌てて弁解する私。 村に入るならバイクはここに置いておいていいから入園料を払えと言われた。   賢いベジさんたちのバイクは山道に入る直前において徒歩に切り替えたらしい。 ベジさんとぱーにゃは歩いて登場した。

  

      

この村じゃなかった。

  

  

  

  

  

慌ててその村を出る。 トイレ貸してくださいとわけわかんない言い訳をしてもと来た道を引き返した。      

  

   「なんか違ったけどちょー楽しかったね!」ぱーにゃがいい笑顔で言う。    「これだよ冒険って!次の村探そう!」だいぶ走って疲れてるはずのべじさんが笑いながら言ってくれる。    「もう自分携帯10パーしか残ってないっすよ!早く行きましょう!」と終始mapを確認してくれていたわんわん。   

  

  

  

  

あの時振り返った黒髪おかっぱの彼女を思い出す。 首長族の顔立ちはみんな似てる。 同じ民族の中で結婚するからなんだろうか? 一瞬思い出す、彼女の表情とマリーが重なった。

  

  

 

神秘的な表情でニヤッと笑う彼女の視線 ざわめく木の葉の音

   

  

  

"人生ってね。冒険なんだよ。 あの村にたどり着けるかどうかは、

   

天が決める。"

   

  

  そんな風の音が聞こえた気がした。

  

  

  

  

  

    私たちはその後なんとか村を見つけ、十分に作戦を練ってからさらに2日後 今度こそマリーの村へ。 4人はトランポリンを担いで村へ入って行ったのだ。

  

  

  

  つづく  

  → http://flyhigh-mai.com/2017/01/08/fly-high第2巻%E3%80%80〜中編〜/    

 

*石原舞インタビュー記事

アセナビ

http://asenavi.com/archives/6169

開発メディアganas

http://www.ganas.or.jp/20160302flyhigh/

 

iammai

心に住むオラフ

昨日はプノンペンの日本人会の忘年会だった。   私は普段プノンペンで、子どもたちとスポーツで関わる仕事をしているのだけど、その中で最も大きなイベントが昨日あって。それは私が新体操を教えている子どもたちの発表会だった。   高校時代、新体操部だった私は、当時から踊るよりコーチをしていた時の方が楽しかった思い出が今に繋がっているのだけど。   今まで、プノンペン内でもう5回以上は発表の場があったのに なぜだか今回はわけのわからない圧迫感を感じていて   昨日は押しつぶされそうになっていた。  

    会場が大きいからか 今までで一番人数が多いからか 短い練習で演技を押し込んでしまったからか 単純に人の多い場所が苦手だからか いつも出演してる子どもがお休みだからか いろんな事情で全員の出演ができなかったからか

    とにかく訳のわからないなにかに押しつぶされそうになってしまって 必死に子どもたちの前で笑顔を作っていたけど 凍ったような心臓をしていたと思う。   

リハーサルを無事に終えたものの なんだか変な緊張感は止まらなくて

 

ふらふらした足で会場を後にした。 とても開演まで会場の空気の中にいられなかった。

 

赤ちゃんたちが遊ぶようなプレイルームに座った。 できるだけ小さな空間に逃げたくなった。

 

 

座ってしまったら、立ち上がるのが苦しくなった。

いつもの勢いはどこにいったのか   なんとか会場で笑顔を作る。 本当はちょっと苦しかった。

 

 

 

本番前になって狭い廊下でほんの少し練習しようという時

 

先生私のリースがない!とか 先生リボンが取れちゃった!とか 先生口紅塗って!とか。 先生トイレ行きたい! 先生踊り忘れちゃった!!!とか・・・

 

出番は近いしで      

「もうやばい・・・誰か助けて」と泣きたくなった 正直焦っていた私。そんなとき     

 

突然衝撃と共に後ろに倒れそうになった      ある一人の子どもが

私の胸に飛び込んできたのだ。 「先生ーーーー!!!」

 

     演技の指導に必死になって慌てていた私は一瞬頭が真っ白になってしまって    "お願い今はやめて!今からみんなで練習するの!終わったらにして!!!" と叫びそうになった、その言葉を飲み込んだ。 その時初めて気がついた。     

 

私の呼吸が 小さく震えていたのだ

 

 

私は何も言葉が出てこなくて、少し深く呼吸をしなおして 少し彼女の頭を撫でると

     彼女は何も言わずに数秒、ただ嬉しそうに私を抱きしめた後 満足したような顔をして自分の立ち位置に戻って 何もなかったかのようにポーズの位置についた。      

         

     しばらくして発表の時間がくる。        正直、本番も演技の合図を送るのに必死だった私は 客席ほどの感動を取りこぼしてしまったのだけど

 

結果発表は無事に済んで、子どもたちは大喝采を浴びた。 きっと今までの発表会の中では一番大きな拍手だったんじゃないかと思う。

 

子どもたちが退場した後、振り返って客席をみると

      たくさんの人が私にまで、拍手を送ってくれていた。 呼吸の震えは止まっていたけど 今度は、胸が感動で震えるのを感じていた。    

 

終わった後、

子どもたちは無邪気に笑い合っていた。そう、この笑顔が私は大好き。

 

 

そして今度はあるお母さんが 「まい先生〜〜〜いつも感動をありがとう」 と目に涙を溜めてハグをしてくれた。         

いつも先生としてみんなの前に立っているときは 元気いっぱいの先生でいられるように 優しい先生でいられるように必死だった私がいた。

 

できるだけ、子どももお母さんも私も、みんなが幸せを感じられるクラスを作りたいって 演技の構成から曲の選び方もこだわって この1年は走った。

      

でも本当は、みんなの前で先生のように振る舞うそんな私は     ただ一人の人間で 不安や緊張に潰されそうになる日を隠していた。      

 

そんな私は誰かに、 隠した不安を抱きしめてほしかったのかもしれない。    

 

       その時、やっと気がついた。 ああ、私の仕事は、

  演技を指導することではない。  

新体操の先生でもない。  

 

 

   誰かに、感動を届けることなんだ。     

 

やっと心が溶けたように 喉の奥がぎゅっと熱くなって

溢れそうになった涙の熱い温度を 閉じた目の奥で味わった。

      

 

演技が終わった後、 数人の方々が話しかけてくれた。     「私の娘も、バレエをずっと習ってまして、もう結婚して子どももいるんですけど、懐かしい思い出です。あの頃の小さかった娘を思い出しました。ありがとう。」

 

     司会者の方は、 「2人の娘がいるんですが、毎週土日は新体操の大会の送り迎えをやっていた事をふと思い出しました。」  素敵な思い出を教えてくれた。

 

 

今日出演した子どもたちに関係のない人にも 優しい思い出を思い出させてくれるきっかけになったことを始めて知った。

 

ああ、良かった。こんなところにも優しい気持ちが繋がっていたんだ。って 幸せな気持ちになった。   レッスンしてきた自分のことを、2016年、初めて褒めた。 うん、よく頑張ったわたし。

 

 

 

 

 

そして、この日一番美しく見えたものがある。

 

もちろん なんども練習した最後のポーズや、 いつもより嬉しそうな子どもの笑顔もとても素敵だったんだけれど。

 

 

それはホテルの正面に飾られた大きなクリスマスツリーの前に 家族で並んで記念写真を撮る姿だった。

 

 

ドレスアップしたお母さんの優しい瞳 プノンペンで働くお父さんの活き活きとした姿勢 少しすました顔をしてはにかむ娘。

    そして手には発表で使ったリースを握って。     

 

     遠い遠い先、彼女たちが大人になった頃 お父さんは、クリスマスが来たら思い出すかもしれない。

    ああ昔、まだ娘が小さかった頃に 発表会のあと、みんなで写真を撮ったなぁって。

    写真を見るたびにお母さんは思い出すかもしれない。 新体操の送り迎えに、娘の小さな手を繋いで連れて行ったわって。

      会場であった男性のように、 他の子どもたち踊っているのをみて 小さかった娘を思い出すこともあるかもしれない。

     

 

ぁあ、私がサンタクロースだったら。 いつかふと思い出せるような家族の思い出を プレゼントし続けよう。

     

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p.s     昨日の余韻に浸りながら 紅茶1杯とラテ2杯飲んで気づいたことがある

 

  今回の曲は Do you wanna build a snowman

  という曲だった。アナと雪の女王の、雪だるまをつくろうっていう歌だったのだけど。

 

 

 

オラフは映画でこういった

 

僕はオラフ!ぎゅーって抱きしめて!

Hi,I'm Olaf and I like warm hugs!

 

 

 

 

 

もしかしたら私の中のオラフが「抱きしめて!」と叫んでいたのかもしれない。   子どもからも、保護者の方からも暖かいハグをもらった私。 こんな幸せなことはない。    

12月でも夏のプノンペンでは雪だるまは作れないけど。^^

   

    続き→ https://youtu.be/1APv9t_LyOY  

 

 

 

 

 

 

 

 

*石原舞インタビュー記事

アセナビ

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なんと、2ヶ月半も・・・恋するflymai season2

恋するfly mai 至上最大の事件。なんと、2ヶ月半も・・・

石原舞の恋愛至上最大の事件が起きた。それは8月。私の誕生日の翌日に事件は起きた。 私たちは付き合って2ヶ月半くらい。 ほやほやなラブラブ感で素敵ビーチに出かけた。

 

眩しい日差し、 のんびり吹く風 綺麗な夕陽 手を繋いで歩くのに、ちょっと慣れてきた。

 

夜、真っ暗な海にかかる桟橋を2人で歩く。 電気がないから真っ暗な海の上にたった2人だけ。星明かりと波の音がロマンチックな気がした。

  kep  

ロープも柵もなにもない。少々リアルな危険度のおかげでしっかり手を握ってくれた彼。

 

 

“Don’t worry. I’ll protect you.” (僕は君を守るよ。安心して。) ディズニーの王子様みたいな言葉をなんの恥ずかし気もなく普通に言う彼。私が恥ずかしい。いやめっちゃ嬉しいけど!とっさに恥ずかしすぎて

 

“Yeah, Of coure.”(うんよろしく。当たり前でしょ。)

強めな口調で言ってしまった。あー本当は嬉しかったのにー。なんでもうちょっとせめて可愛く言えなかったんだ私!!わーー女の子になりきれない後悔、半端ない!!! なんて心の声を叫びながらほんのちょっと。手を握り返した。

 

 

そういえば日本は基本的に一歩間違えたら死ぬ!みたいな危ないところがほとんどないから、男の子が女の子を守るような状況になることがないよなぁ。

守ってなんてもらわなくても一人で歩けるし。

小さなことも危険だって過敏に判断し過ぎてしまうように思う。 全ての環境が安全に作られすぎていて刺激がなくなっていく。 もう少し危ない国のままだった方が、デートは盛り上がると思うのに。

 

日本はもっと危険になった方がいいなぁ。そんな風に思った。

 

  img_0637   ちょっとくらい怪我しても、包帯まいときゃいいんだよね。 日本には病院いっぱいあるんだから。  

 

 

その夜ふとペイトが言った。

 

「大事な話があるんだ・・・。」 なにかちょっと言いにくそうな彼

 

「え・・・なに???」緊張する私。

 

「言わなきゃいけないことなんだ・・・」

 

言いにくそうな表情をする彼。なんだろう。全く想像がつかない。

 

 

 

「僕は・・・」

 

息を飲む私。

 

 

 

 

 

「僕の名前は ペイトじゃないんだ!!!!」

 

 

 

 

「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

言葉が出ない私。一瞬、まじで固まった。思考がとかじゃなくて、頭も体も固まった。

 

・・・・・・は!? ペイトじゃない!!!!!!!え!?どういうこと!? 誰———ッ!えーっ!!

 

 

 

 

続けて彼は言った。

 

 

僕の名前は・・・

 

 

 

ピーター!!!! ペイトじゃなくてピーターなの!!!!

 

 

 

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え・・・? 色々訳がわからなかった。

 

つまりは私のリスニングの問題で彼の友達がみんな「ピーター」を略して ピーター→ピートゥア→ピェルィタ→ペルィート→ペイト って風に聞こえてた。カタカナ英語で私の脳内で変換されて、 私の中ではペイトくんになっていたのでした。

 

 

2ヶ月半も

 

好きな人の名前呼び間違えてたのか私っ!!!!!!

 

 

 

なんでもっと早く教えてくれなかったの?って聞いたら

 

 

「舞が一生懸命英語を話していて。 その姿を見ていたら舞はきっと僕を好きなんだろうなと思えたから。  

もはや舞が好きな自分ならピーターでもペイトでも誰でもよくなったんだけど。 今言わなかったら一生言えないと思って・・・」

 

 

 

固まった空気の後一気に吹き出した。爆笑。

 

 

 

付き合う前から数えたら2ヶ月半どころの期間じゃない。 もっと早く言わんかい!!!

 

  日本でその話をしたら 名前聞き間違いによる面白いエピソードをいっぱい聞いた。

 

 

 

 

 

最後に彼は言った。 「目の前に広がるのは僕の言葉ではoceanだけど。舞の言葉ではumiって言うんでしょ? 音が違ったって、ここに同じ美しいものがあることには変わりはないんだよ。 僕たちは言葉が違う恋愛関係だけれど、そんな美しいものを共有できる喜びを知っているんだ。」

  img_0665  

「舞は”言葉の壁”という表現を前に使ったけど、言葉が音の繋がりだとしたら。 音に壁はないんだよ。だからそれは幻想なんだ。 わかってもらえない、わからないって思い込む”心”のほうが壁を作る。」

 

 

 

例えばこれは同じ言語同士での恋愛をしていたとしても、 同じことなんじゃないかと思う。

 

 

 

あれから数ヶ月。

 

 

私は未だに。うっかり間違えてペイトって言っちゃうし、最近は途中でミスに気がついてペイターとかいう新しい名前を生み出した。

 

 

 

何かを美しいなって思ったり、わーっ!!って感動したり なにかを愛しいなと想う優しい気持ちを表現するための言葉もとてもありがたいものだけど、

 

 

側で分かち合える”心”というものを 神様が人間にくれたのは

 

 

友達であれ家族であれパートナーであれ

とっても幸せなことですね。

 

  img_0002  

*その昔、FLY HIGH旅で見た砂漠

 

 

 

あ、指輪のオーダーはおかげさまであとお一人様となりました^^ 詳しくは以下です

  続き→ http://flyhigh-mai.com/2016/11/10/あなたの指輪物語/  

  Dear my friends  

  恋するflymai season1 恋するfly-maiはじめます

恋するflymai season2 選ぶのだあなたの愛の伝え方を

最近の恋mai "おはようって言いたかっただけ"  

*石原舞インタビュー記事

アセナビ

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iammai

指輪物語、始めます。

実は大事な友人に、結婚指輪のオーダーを頂いて、約3ヶ月にわたる工房とのやりとりをしてやっっっっっと気に入った作品ができました。 武器を溶かしてアクセサリーを作っているというプロジェクトです。

  恋するflymai続き→ http://flyhigh-mai.com/2016/04/30/そして7年後%E3%80%82/   作り終わったそれを見て、 幸せなため息が出た。 言葉が出なかった。

 

こんな愛の込もった芸術はないんじゃないかと本気でそう思っている。いつも優しくてにこやかな工房の職人さんが、心底頑張ってくれた。

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img_6446-2   ※私はほぼなにもできないんだけど、熱を当てるところだけはやらせてもらってる。 "生まれ変れ"と愛を込めて。

 

  職人さんは言った。

 

「この指輪は全てを込めて作ったよ。  芸術も愛も同じで。  愛を込めて形にしていくものなんだ。」

 

誇らしげな、嬉しそうな顔だった。 手作りの素晴らしさがそこにある。

 

そしてできたのがこれ。

 

Dear my friends 彼の奥さんは少し病弱で、先月2回も入院している中だった。そこに愛を込めてくれた。まだ子どもは小さい。少しでも、彼らの生活費になったらいいと思っている。

 

これは私の指輪じゃないけれど。

“たとえあなたの愛や感謝を、うまく言葉にできない時があったとしても。 あなたの笑顔や存在が、そのままで。誰かへの愛なんだ。”

 

まだ自分ではその意味がよくわからないけれど、 優しさと強さのあるメッセージをこの指輪から受け取った。 How nice

この指輪はすごい。たくさんは作れないけれど、もしクリスマスに愛を贈りたい人がいたら是非この愛を感じてほしいなと思って。クリスマス前、限定3名でオーダーリング、受注しようと思っています。

もちろんペアリングじゃなくて、自分用のでも大丈夫です。 完全オーダー制なので、もう少し太いのがいいとか、表面は滑らかなものがいいとか、こんなイメージがいいというのがあれば出来る限り対応します。

クリスマス以降でのご注文も、もちろん^^ ただいつでもできるってわけじゃないんです。職人さんと私の気持ちが揃ってやる気スイッチ爆発しないとできないという奇跡級の作品です。

 

 

感謝を伝えたい指輪 結婚はまだ早いけど、あなたは特別だと伝えたい指輪 末長いお付き合いを意識したい指輪 告白の指輪 秘密の指輪 守ってくれる指輪 勇気をくれる指輪

 

いろんな指輪があるけれど、

 

FLY HIGH Renaitreから送る、あなただけの、特別な指輪。 愛を込めてオーダーいただけたら最高だと思う。 指輪物語は今からあなたが綴る詩で、誰よりも美しい物語になる。

 

 

 

 

愛することによって失うものは何もない。 しかし、愛することを怖がっていたら、 何も得られない。- バーバラ・デ・アンジェリス -

 

 

そしてこの指輪物語には続きがある。

 

 

武器を溶かしたそれは、あなたから誰かへの、愛の贈り物になる。 私がいただいたお金は、 私の夢に、遠慮なく使わせてもらいます。

 

 

私の夢。 それは、武器をトランポリンに生まれ変わらせること

 

人を傷つけるために生まれたものを 誰かを笑顔にするものに生まれ変わらせたい。

人間が勝手に武器としてしてしまった鉄に 恐怖や不安の音ではなく、かわいい子どもたちの笑い声や笑顔を見せてあげたい。 これを来年やりたい。 だからそのための資金集めも兼ねてアクセサリー受注しています。

誰かへの愛の贈り物→石原がトランポリン作れる→世界のどこかで子どもが笑顔になる→ハッピーがぐるぐる広がる

誰かにプレゼントしたら、そのお金で私トランポリン作るから、そしたらまたその先でたくさんの子供がハッピーになる!笑顔ぐるぐる大旋風大作戦です。 意味わかるかな。

資金の集め方ですら、 徹底的にプレゼントにしたい。サンタクロースになりたい。

愛のかたまりでトランポリン作ろうー^^ という感じです。

 

 

 

メッセージ頂ければ詳細あとで送ります。 自分の友人でも、指輪、この人に教えてあげたら良さそうだなという方がいたら 是非シェアしてあげてください♡ きっと幸せになります。

 

 

手作りなので、すぐに作れません。 ちょっとお時間かかります。今からオーダーしてもクリスマスまでにカンボジアから届けるとなると、かなりやばい! お早めにオーダーしてください^^

あわてんぼうのサンタクロースでよろしくお願いします!♡

 

  *詳細* シングル13000円〜 ペア  25000円〜 ※刻印等デザインにより多少変わります       送料込み サイズ直しは送料いただきますが、無料です(期限付き)  

 

オーダーはfacebookメッセージ・twitter・メールのみ 限定3名さま

iammai0826@icloud.com

 

 

 

*石原舞インタビュー記事

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