恋するfly maiはじめます

I really like you.

 

 

 

その言葉が残した、ときめく音だけが私の脳内に響き続けた。続けて彼は何か言っていたのだけど、恥ずかしいやら嬉しいやらで、彼のまっすぐな瞳を受け止めるのに精一杯になってしまった私には、他の音はなにも聞こえなくなっていた。

 

 

オレンジ色の優しい照明に包まれた薄暗いカフェの角、あと数時間後に私は日本へ帰国する飛行機に乗る。5分だけ時間がほしいと帰り際に呼び止められた。

 

緊張している様子な彼の、少し自信のなさそうな。 でも熱い告白だった。

 

Yes.という言葉を、飲み込んだ。 もう若くない、簡単にYesなんて言う勇気がなかった。 「ごめんまだ言えない。考えさせて」それだけ言い放って空港に向かった。

 

 

 

トランポリンを担いで13カ国を周る。その後プノンペンで事業。強い印象のブログを書き、講演会ではパワフルなイメージで立っていた私は、ここ数年、真剣な恋愛をしていなかった。というか、恋愛ができなくなっていた。

 

パワフルでエネルギッシュな勢いのあるものに向かって走り続ける反面、女性らしいおしゃれや楽しみには興味が湧かなくなった。大好きだった洋服、化粧品、アクセサリーもやめていた。私はどんどん少年になっていて、女性としての生き方からどんどん遠ざかっていた。

 

結婚していく友人を見て口先では「私もいつか結婚したいなぁ。恋愛したいなぁ」なんて言いながらも心の奥底では、恋愛にも結婚にも希望なんてないって諦めていた自分がいたのかもしれない。自分の人生は自分の意志でいくらでも変えていける。でも、恋愛はそうはいかない。

 

 

 

恋愛よりも、自分の想い次第でいくらでも変化していくような”一人”の方が楽しい。寂しさを感じる時間が無駄だ。そんな風に思って楽しさを感じることでなにか大切なことをごまかしていた自分もいた気がする。

 

 

そんな私は、飛行機に揺られながら。私の人生を取り巻くたくさんの恋の物語を思い出していた。

 

 

 

恋や愛を通して広がる世界には、何が見えるんだろう。 言語や宗教が違っても世界中のほぼすべての人が、恋をする。愛を知る。 恋愛って・・・なんだろう。

 

 

 

このときめく鼓動は なにか、この世界の深いものを教えてくれるような気がした。

 

 

  飛び込んでみたいと思った。 私は彼のこと、ほとんどなにも知らない。 言語も違えば国も違う。

 

 

 

  “人が天から心を授かったのは、誰かを愛するためである” いつかの誰かから聞いた言葉がふんわりと自分を包む。

 

 

答えが出せないまま 気持ちを切り替えて私は久しぶりの日本の空気を胸いっぱい吸い込んだ。

 

 

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iammai