そんな私はいつか

facebookを開いたら偶然「3年前のあなたは」的なページが出てきた。今日は私が初めてトランポリンを持って海外に出て、当時新品だったトランポリンを出した日だったらしい。  

     そんなこと私は全く知らずに、たまたま偶然、そのトランポリンにまるで挨拶でもしに行くように、会いに行った。

          当時新品だったそのトランポリンはだいぶ使いまくって古くなってしまったので、半年ほど前にある小学校にプレゼントした。 そこはオーストラリアのNGOが入っていたのでどこかに売られる心配がないということと。しっかりしたアメリカ人の先生がいてルールを守らせてくれたり、用務員的なおじさんが丁寧にトランポリンを扱ってくれたりしそうだったという理由で当時プレゼントをした場所だ。

             今日はその小学校に久しぶりに遊びにいくということになって、プレゼントしたトランポリン+普段使っているトランポリンの2台だしという豪勢な展開になった。

          プレゼントした時点で、寿命はあと3ヶ月くらいじゃないかなと思って渡していた。だから、私は「だいぶ時間が経っているしあの調子で使っていたとしたら、もうだいぶ老朽化しているんだろうなぁ。使えないかもしれないな。」そんな風に思いながら向かったが着いてみたら。

                    プレゼントしたトランポリンは、変わらずそこにあった。 私たちが着いた時にはもうすでにトランポリンは準備されていて(普段は先生たちが片付けている) たくさんの子どもたちがキャッキャと笑いながら、自分たちでルールを作って遊んでいた。         いつも、トランポリンを持っていかないと当たり前にそこにはトランポリンがなかったけど。        今日は、昔いっぱい遊んで、たくさんの笑顔に触れたまるで仲間ようなトランポリンが、私を待っていてくれたような感じだった。                                         

  ちなみにそれは、13ヶ国の旅に出るよりもっと前にカンボジアに持って行った超初代なもので。バタバタしていてちゃんと写真に撮るのを忘れてしまったけど「世界の笑顔を繋ぐ旅」って大きな字で書いてある。少しバネも錆びて、青いカバーも汚れていた。                 わあー・・・。懐かしいなぁって、なんとなく手で触れたら                     “まだ。跳べるよ。” って声が、空から聞こえた気がした。                        私は、思い出ってすぐ無くなってしまうものだと思っている。 というのはアルツハイマーじゃないかと友達に心配されるくらいには記憶力がなくてすぐに忘れてしまうから。                いつも私は、未来の笑顔に向かって走っていたけれど 過去の笑顔たちがちゃんとこの世界にあったことを このトランポリンは思い出させてくれた。

              喋れないけれど、 なんだか昔、一緒に笑顔を作ろうと走り回った旧友に再会したような気分だった。

             本当は私にとって、いつも過去は大して大事じゃなかった。 だって過去は美化されるし、 どうせすぐに消えて無くなってしまうものだと思っていたから。 過去の栄光に浸るという言葉は好きじゃないし 昔は良かったって言葉も好きじゃない。                    特に笑顔なんて一瞬でしかないものだから。

     アンチに言われた時代もあった。「笑顔なんてすぐ消える。ストリートの子どもがトランポリンに乗って笑顔になっても、そんなの次の瞬間には物乞いに戻るじゃないか。そんなことより継続的な支援を・・・」何度言われたことだろう。その度に、今を大事にしたいんだって強がって言い続けた。 だからこそ過去よりも今という一瞬を大事にしたいという意地のような気持ちが強かった。

                    大事なのは今だと思っていたのに。  そんな私に過去の笑顔たちは笑いかけてくれたのだ。

              “たくさんの過去が、今のあなたを支えているじゃないか”           “たくさんの未来が、今のあなたを待っているじゃないか”                    

 

     刹那的な笑顔が そこに残るということに、 深く感謝したくなって

                  トランポリンさん、あなたは本当にすごいです。 敬意を持って接したいと思うようになった。 こんなに尊敬したのは初めてだった。 ものに感謝したくなったなんて初めてだった。                   

              そんな私はいつか、 銃弾を溶かしてトランポリンを作ろうと思っている。

                 私は幼少期、銃声が鳴り響く土地で育った。記憶にない記憶は私の体や血になって残っていて。幼いながら家族の不安やその土地の悲しみを感じていたのだと思う。

        銃弾を溶かしてトランポリン。 それは全然意味がないようなことだけど、

        悲しみが響くこの世界を 笑顔が溢れる世界に生まれ変わらせる象徴を作ってみたいのだ。                          そんな夢みたいなことを言い続けて

             人生かけた遊びを私はするんだ。

      

だからお金もちゃんと作らねばー!笑 2525円とか言ってニコニコしている場合じゃない!笑

      

       未来が楽しみで仕方がないんだけど そんな私に微笑んでくれる過去が今、 愛しくて美しくて仕方ない。                 

 

 

*石原舞インタビュー記事

アセナビ

http://asenavi.com/archives/6169

開発メディアganas

http://www.ganas.or.jp/20160302flyhigh/

 

iammai